撃機隊の司令をよびだしました。
「はい、爆撃機司令です」
 塩田大尉は、マイクを手にとって、眼下に見える怪塔のありさまを知らせました。そしてすぐさま爆撃をするように頼んだのでありました。
「承知しました。すぐ全機で急行いたします」
「頼みましたよ」
 それからものの十分とたたないうちに、東の空から爆撃機隊の翼がみえてまいりました。両隊の無電は、しきりに連絡をはじめました。そのうちに打合わせは、すっかりすみました。
 爆撃機体は二隊にわかれ、いずれも四千メートルの高度をとり、怪塔の上にしずかにすすんでいきます。
 塩田大尉も、小浜兵曹長も、偵察機の上からかたずをのんで、その行動を見守っています。
 そのうちに先にとんでいる爆撃機隊の編隊長機がまず機首をぐっと下げました。あとの僚機《りょうき》もそれにならって、順番に機首を下にしました。急降下爆撃です。
 機体の胴中から、まっくろいものが五つ六つ、ぱっと放りだされました。爆弾です。
 爆弾は仲よく一しょにかたまって、ぐんぐん下におちていきます。
 第二番機の爆弾群が、またあとをおいかけて、ぐんぐん地上の怪塔に追っていきます。
 さあどうなる
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