勢を正し、
「それにつけても、残念なのは、青江のことです。青江を殺して申しわけありません」
4
「青江は気の毒なことをしたなあ。しかし仕方がないよ、戦争なんだから」
塩田大尉は、小浜兵曹長の肩をたたいて、慰《なぐさ》め顔にいいました。
「小浜は、彼のかたきうちをするつもりでいましたが、こんなことになって不時着し、飛行機をこわしてしまいました。それからこっち、帆村探偵がいろいろと元気をつけてくれたのです。おお、帆村探偵、一しょについて来たと思いましたが、そこらにいませんか」
帆村探偵は、どこへ行った?
「ああ、あそこにいるのが帆村じゃないかね」
塩田大尉の指さしたところを見れば、はるか三百メートルほど向こうにおくれて、帆村探偵が地上につきたった大きな筒を、しきりに引抜こうとしているではありませんか。
「あれは帆村探偵です。なにをしているのでしょうか。ちょっと見て来ましょう」
小浜兵曹長がかけだすと、塩田大尉たちも、それについて、帆村のいるところへ一散ばしりです。
「おい、どうした帆村君」
「ああ、小浜さん、ああ塩田大尉、よく来てくださいました。御挨拶はあとにして、こ
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