しい渦巻をつくって流れています。この荒潮は、帆村探偵の生死をたしかに知っているはずでありますが、残念にも口をきくことができません。
ところが、その帆村探偵は、しばらくしてはっと我にかえりました。気がついて見ると、いつの間にか、呼吸がたいへん楽になっていました。そして目をあけて見ますと、自分は岩のうえにながながと寝そべっているではありませんか。彼は夢を見ているような気がしました。
「怪博士は?」
彼は、がばとはねおきました。そしてあたりを見まわしたのでありますが、どうもさっきとは様子がちがっています。
一道の光が、眩《まぶ》しくさしこんでいまして、さっきの洞穴とはくらべものにならぬほど明かるい気分にみちています。
足元には、白い泡をうかべた荒潮が、或《あるい》は高く、或は低く満ち引きしています。そして海鳴《うみなり》のような音さえ聞えるのです。
3
帆村探偵は、奇蹟的に一まず危難をのがれたことを知りました。
殺人光線灯をかけられようとした途端《とたん》、彼はこんなものにうたれて体を焼かれるよりはとおもい、おもいきって海中に自ら身をなげたのであります。
ところが
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