って、
「全くあぶないところだから、いつも足下に気をつけていたまえ」
「はあ、ありがとうございます。なに、もう大丈夫です」と、帆村は博士の横に立ちあがり、
「そこでおたずねしますが、怪塔王が体をぶっつけた岩というのは、一体どの岩でしょうか」
「ああ、その岩かね、――」博士は口ごもりながらあたりをきょろきょろながめ、「ええその岩というのは――そうだ、たしかあの岩だったとおもうよ」
そういって博士が指さしたところを見ると、二人の立っているすぐ目の前に、渦巻く海水にとりまかれた一つの小さい島のような平な岩がありました。
3
怪塔王が体をうちあてたのはあの岩だと、大利根博士が指さしましたので、帆村が見ると、それはものすごい潮の流にとりかこまれた小さい島のような岩礁でありました。
「ああ、あれですか。ものすごい岩ですね。怪塔王の体は、あの岩にあたって、それからどの辺へ跳ねおちたのですか」
帆村探偵は、なにげなしにたずねました。
「ううん、それはこっちだ。あの岩礁の左の方だ」
帆村探偵は、それを聞くと、ふしぎな気がしました。怪塔王の体が岩の割れ目から落ち、目の前に見える岩礁に
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