しかし彼は、あまりに博士をおどろかせてもとおもい、飛びたつばかりのわれとわが心を、できるだけこらえている次第でありました。
「ああ、帆村探偵か。いつか、どこかで聞いたことのある名前じゃ。私をさがしに来てくれたとは、まことにありがたいことじゃ。しかし、いきなり前にとびだされたのにはおどろいたぞ。うふふふ」
大利根博士は、やっと気がおちついたようであります。
「博士は、一体どうなすって、この白骨島へおいでになったのですか」
帆村は、いままで気にかかっていたことをたずねました。
「な、なぜ、この白骨島へきたかと聞くのか。そ、それはじゃ、つまりそれは、あの憎むべきところの怪塔王の仕業じゃ」
4
岩窟内での、めずらしい対面!
大利根博士とむかいあって、帆村探偵の胸はまだおどりつづけています。博士の説明によりますと、博士は怪塔王のため、ここへつれこまれたということです。
「それはずいぶんお苦しみのことだったでしょう。僕たちが見つけた以上は、身をもっておまもりします。ご安心ください」
帆村は、博士をなぐさめるために、そういわないではいられませんでした。
「ああ、どうもありがと
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