つぜん警鈴がひびき、赤い注意灯がつきました。それは怪塔王のところに、無電がかかって来たのをしらせているのです。
怪塔王は、受話器を手にとりました。
「おう、お前は監視機百九号だね。何用か」
「はい、監視機百九号です。いま小笠原《おがさわら》附近の上空を飛んでいますが、はるかに北東にむかって飛行中の空軍の大編隊をみつけました」
「なんだって、今ごろ空軍の大編隊が北東にむかっているとは――」
2
空軍の大編隊が、北東にむかって飛んでいるという無電に、司令室の怪塔王はびっくりしました。
怪塔王は、その無電をかけてきた監視機にむかって、
「おいもっとくわしく知らせろ。どこの飛行機か。そして機数は?」
すると返事があって、
「さあ、どこの飛行機か、よくわかりません。じつは、はじめからそのことが気にかかっていたのですが、電子望遠鏡でのぞいても、飛行機にはどこの国のマークもついていないのです。じつに怪しい飛行機です」
「マークがついていない飛行機か。はて、それは怪しい」
怪しい怪塔王が怪しいなどというのです。どっちが怪しいか、おかしいことです。
「おい、飛行機のかっこうから考
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