いと引張ってみると、顔の皮は何の苦もなくずるずると剥《む》けました。
「あっ、マスクだったのか」
一皮剥けて、その下から出てきたのは、変な目つきをした黒人の顔でありました。
黒人の怪塔王?
兵曹長は、これをどう考えたらいいか、あまりのことに迷っていますと、また天井から大きな声で、
「あっはっはっはっ。どうだ。やっとわかったか。贋物《にせもの》の怪塔王の仮面がやっとはげたんだ。そのような怪塔王でよかったら、あと幾人でも見せてやるわ」
天井裏からおかしそうに響いてくる無遠慮な笑い声は、たしかに怪塔王にちがいありません。
6
「どうだ、小浜兵曹長。その辺で降参したらどうだ。もうなにごとも、貴様にのみこめたはずだ。貴様の脱獄したことがわかったので、こっちは計略で貴様をうまく怪塔のなかにひっぱりこんだというわけさ。あっはっはっはっ」
怪塔王はますます笑います。小浜兵曹長はうまく、怪塔王にひっかけられたことが、やっと呑《の》みこめました。
目をあげて、まわりを見まわしますと、いつの間に出て来たのか、いかめしい武装をした黒人が十四五人も、銃口をずらりと兵曹長へ向けてとりまい
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