ろで》にしばられてしまいました。怪塔王は、すっかり元気がなくなって砂上にすわりこんでしまいました。
「とうとう怪塔王を生けどったぞ! 怪塔王て、弱いのだなあ」
 小浜兵曹長は、両手をあげて、声高らかに万歳をとなえました。

     3

 怪塔王は捕えられてしまいました。
 小浜兵曹長は、大手柄をたてました。天にものぼるような喜びです。
 縛られてしまえば、あんがいに弱い怪塔王です。
 小浜兵曹長は、このとき怪塔王をひったてて塔のなかにはいり、ロケットを占領してしまおうと考えました。
 怪塔王も捕え、怪塔ロケットも占領してしまうとなると、これはまたたいへんな大々手柄です。いさみにいさみ、はりきりにはりきった小浜兵曹長は、
「さあ、歩け!」
 と、怪塔王をひったてました。
 怪塔王は、おそろしい形相《ぎょうそう》をして、小浜兵曹長をにらむばかりで、なにも口をきかなくなってしまいました。
 すぐ近くに見える怪塔ロケットは、舵機《だき》を修理したらしいところ、また機体のところにペンキのぬりかえられているところから見て、これが例の、青江三空曹の生命をうばった恨みの怪塔ロケットであると思われま
前へ 次へ
全352ページ中269ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング