は、こっちからは、貴様のそのぐるぐる目玉が大見えじゃ」
 という声は、正《まさ》しく怪塔王です!

     3

 怪塔王のしわがれ声は、天井裏からうすきみわるくひびいて来ます。声はきこえますが、怪塔王の姿はふしぎにも見えません。
 小浜兵曹長は、傷のいたみもわすれて、怪塔王の声のする方をじっと睨みつけていました。怪塔王は、これから何をしようというのでありましょうか。
「あははは、そんな恐しい顔をしても、もう駄目だよ。この牢獄へはいったが最後、二度と外へは出られないのだ。このへんで、すこし早目にお念仏でもとなえておくがいい」
 怪塔王のいうことは、あいかわらず憎々しいことばかりです。このとき、小浜兵曹長はきりりと眉《まゆ》をあげ、
「やい、怪塔王、貴様は俺をなぜこんなところに入れたんだ。俺がどうしたというのか」
「わかっているじゃないか。貴様は、わしの乗っていた怪塔ロケットを空中で攻撃した。そのとき一人だけやっつけたが、貴様を殺しそこなった。わしはそれを残念に思っていたところ、貴様の方から、この白骨島へ踏みこんで来たではないか。そして貴様の方では気がつかないだろうが、あの岡の上から、
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