とのない名前です。一体この七つの首の化物機械は、なにをする機械なのでしょうか。


     3

「あべこべ砲というのはね」
 といって、塩田大尉はぶるぶると身ぶるいをしました。
「そんなに恐しい機械ですか」
「うん、もしこれが出来たら、これまでの兵器はみな役にたたなくなるという恐しい機械だ。しかし、それはたいへんむずかしくて、ここ十年や二十年のうちには出来ないだろうという話だった。つまり、あべこべ砲というのは、たとえば、自分がピストルを敵にむけてどんと撃ったとする。するとあたりまえなら、弾丸は敵の胸板を撃ちぬくはずであるが、このとき、もし敵があべこべ砲をもっていたとすると、その弾丸は敵にあたらないで、あべこべに自分の胸にあたって死なねばならぬというのだ」
「なるほど、それであべこべ砲ですか。しかしそんなことが出来るでしょうか」
「うむ、まあ出来ないだろうという話だったが、今ここに横たおしになっている機械を見ると、かねて大利根博士がちょっと洩《も》らした話の機械によく似ているんだ。待っていたまえ。もっとよくしらべてみよう」
 そういって、塩田大尉は機械をめんみつにしらべていましたが、
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