、雨が滝のようにながれています。空中生活になれた兵曹長も、こんな目にあうのははじめてです。普通の人だったら、泣きだしたかもしれません。
兵曹長は操縦桿をにぎりしめたまま、なおもぐんぐん落ちていきました。
九百メートル、七百メートル――
雲はまだ、そこら中に漂っています。
そのうちに、彼は雲をとおして、はるかの下に、くろずんだものを見つけました。
「あっ、見えた。陸地か、海面か」
ごうっと落ちていく機体の前に、下からむくむくともりあがるように上って来たのは、白い波頭をふりたてて怒っている大海原でありました。まるでガラスの棒のような雨は、海面をめちゃくちゃに叩きつけています。
「これはたいへん。ものすごい荒天だ」
飛行機は、水の中を飛んでいるように見えます。視界ははなはだせまい。怪塔ロケットを追うどころではありません。
2
「ずいぶん海上生活もしたが、こんな荒天にあったのははじめてだ」
小浜兵曹長は、篠《しの》つく雨の中に愛機を操縦して、海上すれすれに飛びつづけます。
「はて、ここは一たいどこの海面かしら」
太平洋であることはわかっていますが、太平洋といっても
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