名でもとなえるがいいと、気味のわるいことを言いましたが、一体なにごとをはじめようというのでしょうか。
「おや、また怪塔王が、窓から顔をだしているぞ」
「あっ、なにか手に持っていますぞ」
 小浜・青江の二勇士が、たがいに叫びあううちに、怪塔王は半身を窓からのりだすと見る間に、かくしもっていた怪しい機械をぴったりと自分の胸にあてて、身がまえました。
「あっ、あんなものを出しやぁがった。あれはなんだろう」
「さあ、ベルクマン銃に似ていますけれども、ベルクマン銃が三つ寄ったくらいこみいった武器ですね」
「そうだ、武器にちがいない。どうするつもりかしら。ともかく戦闘準備だ。ぬかるなよ」
 怪塔王は、その怪しい武器を胸につけて身がまえると、その狙《ねらい》をロケットのうしろの方につけました。
 やがて奇妙な音響がすると、その怪しい武器の銃口とおもわれるところから、太いうす紫色の光がさっととびだしました。
 うす紫色の光線!
 あれはなんだろうとおもっているうちに、この光線はしきりに、ロケットのうしろの方をなでています。光線がロケットの外壁にあたると、そこから黄いろいような赤いようなつよい焔《ほのお
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