追いすがって、じりじりと追っていくうち、両機はいつしか七千メートルの高空にのぼってしまいました。

     4

 七千メートルの高空!
 いまや偵察機は、怪塔ロケットにおいつきそうです。
 霧はもちろんのこと、雲もなくなりました。ひろびろとした空です。地球はどこかへいってしまいました。下には蒲団の綿のような密雲が、どこまでもひろがっています。
「おい青江。貴様、とうとうがんばったな。えらいぞ」
 と、兵曹長がはじめてちょっとほめた。
「ま、まだであります」
 青江三空曹は、どなりかえしました。
「なに、まだだって」
「そうであります。私の得意とするがんばり方を十分に兵曹長にごらんにいれていないのであります」
「なんだって。まだがんばるというのか」
「いよいよこれから本当にがんばるのであります」
 青江三空曹は、じゃまものもなくなってひろびろとした高空を、おもいきりぐんぐんと愛機をとばせていく。
 そのあいだにも、小浜兵曹長はしきりと電鍵《でんけん》をたたいているのでありました。彼は偵察任務のため、青江機にのっているのであるから、機上から見た怪塔追跡の刻々の様子を、無線電信でもって本
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