いのがあたり前かもしれない。りんりんりーんりんと特別の鳴りかたをしなければ奥へ通じない規則があったね。それをいま思い出したよ」
そういって塩田大尉はベルの釦をおしなおしました。
りんりんりーんりん。
するとどうでしょう。
りんりーん――と、返事のベルが門柱のうえで鳴りました。そして城のような高い壁にはめてあった門の扉がぎいっとうちへあきました。それは潜《くぐ》り戸ぐらいの小さな扉でありました。
「さあ入ろう」
塩田大尉は一彦をうながして、その小さい門をくぐりました。
「大利根博士は、お邸にいるのですね。ベルが鳴りましたから」
「まあ、どうかなあ」
「だって、今のベルは特別符号をおくったのでその返事として鳴ったんでしょう、博士の耳に通じたにちがいありませんよ」
「そうかなあ」
二人はあなぐらのようなところを、ずんずんむこうに歩いてゆきました。そのうちに玄関が見えてきました。
3
大利根博士の玄関には、有名な電話機があります。博士と面会することはなかなかむずかしく、まずこの電話機で用を足すよりしかたがないと言われているんです。
塩田大尉は一彦少年に目くばせして
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