とおりもやり方があるわけじゃない。わしがとことこ山をおりて行くよりほかに、別にかわった方法はないねえ」
 と答えたあとで、
「しかしお前さんは、どうしてこんなところへやって来たのかね。お前さんは一体誰だね」
 と、さも不審そうに、たずねました。
 少年は、傷がいたむとみえて、顔をしかめていましたが、やがて口をひらき、
「――僕のことかい。僕は一彦という名前なんだよ」
「なんじゃ、カズヒコというのか」
「そうだ、一彦だ。怪塔の中から逃げだしたんだ。その時こんな風に傷をおってしまったんだ」
 傷ついている少年は、意外にも一彦だったのです。怪塔の中に、帆村荘六とともに、とじこめられていたはずの一彦少年が、意外も意外、山の中に放りだされていたというわけでありました。
 しかし炭やき爺さんには、一彦といったところが、また怪塔といったところが、通じるはずがありません。
「怪塔てえのは、なんのことかな」
 と、のんきな問を出しました。
「怪塔を知らないの」
 と一彦は目をまるくして、
「ほら、昨日のことさ。たくさん飛行機がやってきて、空から爆弾をおとしていたじゃないか。この山の向こうで、やっていたじ
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