ているらしい。彼は無人島上につくられている怪塔ロケットの根拠地に不時着《ふじちゃく》しているそうだ」

     3

「えっ、無人島上に、怪塔ロケットの根拠地があるというのですか」
「根拠地とは、一体どういう意味の――」
 幕僚や塩田大尉は、このだしぬけの根拠地報告に、びっくりしました。
 司令官は、電文のおもてを見ながら、
「場所は北緯三十六度、東経百四十四度にある白骨島だとある。そこには怪塔ロケットが七八台も勢ぞろいしているそうだ」
「ふむ、怪塔ロケットは一台かぎりかと思っていましたが、七台も八台もあるのですか。これはわが海軍にとって、じつに油断のならぬ敵です」
「そうだ、怪塔ロケット一台ですら、あのとおり新鋭戦艦淡路をめちゃめちゃにしてしまったんだから、その怪塔ロケットに七八台も一しょにやって来られたのでは、わが連合艦隊をもってしても、まずとても太刀打《たちうち》ができまいな」
「残念ですが、司令官がおっしゃるとおりであります。これが砲撃や爆撃や雷撃でもって攻めて来られるのでありましたら、わが艦隊においてこっぴどく反撃する自信があるのですが、世界にめずらしい磁力砲などをもって来られたのでは、鋼鉄でできているわが軍艦は、まるで弾丸の前のボール紙の軍艦とかわることがありません」
「ううむ、残念だが、これは困ったことになった」
 さすがに武勇にひいでた士官達も、怪塔ロケットの持つ磁力砲の威力のことを考えると、たいへんにおもしろくなくなりました。
 塩田大尉は、この時、席に立上り、
「こうなれば、われわれの選ぶ道はただ一つであると思います。すなわち、大利根博士の秘密室で発見されたあべこべ砲を製造して、あれを軍艦や飛行機にとりつけるのです」
「うむ、そうするより仕方がないが、あのあべこべ砲は壊れているそうではないか」

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 怪塔ロケット一台さえ、もてあまし気味でありますのに、小浜兵曹長からの無電によれば、白骨島には、このような怪塔ロケットが七八台もいるという報告なのでありますから、全く驚いてしまいます。
 たのみに思う大利根博士発明のあべこべ砲は、博士の秘密室のなかにありましたが、これは壊れていて役に立たないということであります。
 塩田大尉は、司令官の前でじっと考え込んでいましたが、やがて決心の色をうかべ、
「司令官、あべこべ砲のことは、塩田におまかせ
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