めていることも、双眼鏡でのぞいた人々の目にはうつった。
よくばり事務長
「ものものしいかっこうですが、お許しください」
円板ロケットから、ギンネコ号の中へ乗り移ったロバート大佐は、うしろにしたがうポオ助教授と帆村とのほうへ手をふりながら、ギンネコ号の人々にあいさつをした。
そこは三重の扉を通りぬけたあとの、ふつうの大気圧の部屋であったから、ギンネコ号の人たちはふつうのかっこうをしていた。かれらは日本人ばかりではなかった。むしろ日本人はすくなく、その他の国々の人が多く、まるで人種の展覧会のようにも見えた。
「そのきゅうくつなカブトをおぬぎなさい。それからその服も……」
そういったのは、やせて背の高い白毛の多い東洋人だった。どこからくだ[#「らくだ」に傍点]に似ている。
「いや、はなはだ勝手ですが、このままの服装でお許しねがいます。脱いだり着たりするのには、はなはだやっかいな宇宙服ですから」
と、ロバート大佐は釈明《しゃくめい》をしてから、じぶんの名を名乗り、ふたりの随員《ずいいん》を紹介した。そして、
「あなたは艇長でいらっしゃいますか」と聞いた。
するとらくだ[
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