種類か」
 テッド隊長は、こまかく気をつかった。
 一行はでかけた。
 司令艇の側壁《そくへき》の一部が、するすると動きだしたと思うと、それは引戸のように艇の外廓《がいかく》のなかにかくれ、あとに細長い楕円形《だえんけい》の穴がぽっかりとあいた。
 するとまもなくその穴から、円板《えんばん》のようなものがとびだした。それは周囲から黄色い光りを放ちまるで南京花火《ナンキンはなび》のようにくるくるまわって、闇をぬって飛んだ。
 これは円板式の軽ロケットで、汽船が積んでいるボートにあたるものだ。くるくるまわっているのはその周囲のタービンの羽根のような形をしたところだけで、まん中のかなり厚味のあるところは廻らない。その中にこの円板軽ロケットの乗組員たちや三名の使者がはいっているのだった。
 ぱっぱっと黄色い光りの輪のまわるのを見せながら、円板ロケットは大きい弧《こ》をえがいたあとで、調子よくギンネコ号のうしろから近づいていった。ギンネコ号は知らん顔をして飛びつづけている。しばらくの間、円板ロケットはギンネコ号の下に平行になって飛んでいたが、そのうちに円板ロケットからは、ぽんと引力いかり[#「い
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