村たちも博士のことばにしたがって、本艇へ引揚げていった。これがおたがいの顔の見おさめだろうと両艇員は別れ去るのがとてもつらかった。
なにごとも運命であったろう。帆村たち十名が本艇へたどりついて、テッド隊長に報告をはじめ、それがまだおわらないうちに、とつぜん千載一遇《せんざいいちぐう》の機会がやってきた。
猛烈な砲撃が天蓋にくわえられたけっか、ぽっかり穴があいたのである。暗黒な空が見えた。
「今だッ」
出航! テッド隊長は、出航命令をくだした。操縦員たちは極度に緊張した。
艇の繋索《けいさく》はたたれた。そして針路は、吹きとばされた天蓋のあとへ向けられた。
大危険である。砲撃はつづいているのだ。すこし間隔《かんかく》はおいてあるが、猛烈に撃ってくる。天蓋や構築物の破片や、砲弾そのものまでが頭上からばらばら落ちてくる。もしその一つが本艇の要所にあたれば、本艇は即時に飛ぶ力をうしなって、あわれな巨大な墓場と化さなくてはならない。
しかしそれをおそれていられないのだ。脱出はいまをおいてほかにないのだ。
全速前進! 僚艇に注意! テッド隊長以下の艇員は、ものすごい初速と加速度にたい
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