態にいたった。
 それはアドロ彗星の砲撃がますますはげしくなり、ガンマ星の天蓋《てんがい》をぼンぼンと破壊しはじめたからであった。運搬員の頭上からは、破壊された天蓋や架橋《かきょう》の破片が火山弾《かざんだん》のようにばらばらと落ちてきて、危険このうえないことになった。
 サミユル博士は長大息《ちょうたいそく》するとともに、そのあとのことを遂《つい》にあきらめた。
「運搬はやめる。隊員はそれぞれの艇へいそいで引揚げなさい」
「先生、いま運搬をやめては、『宇宙の女王』号はよていした燃料の三分の一くらいしか持っていないことになり、長い航空にはたえませんですよ。もっとがんばりましょう」
「ぼくも、やりますよ。まだ、大丈夫、やれますよ」
 と帆村と三根夫とは、左右からサミユル博士を激励《げきれい》した。
「そういってくれるのはありがたい。が、わたしはいまやじぶんの運命にしたがうのです。運搬作業は、とりやめにします。あなたがた、はやくテッド君のところへ引揚げてください。そしてテッド君に、わたしが心から大きな感謝をささげていたと伝えてください」
 博士の決意は、もうびくともゆるがなかった。そこで帆
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