りと知って、かけつけてきたのにちがいない。すると、あとは三人とも、この場で逮捕されるばかりだ。三人は、それぞれの思いで、その場に足がすくんでしまった。
ところが、大ぜいの足音は、階段をのぼってはこず、意外にも階段下をかけぬけて、いってしまった。しかし次の一隊が近づき、この一隊もまたかけぬけていった。そのとき警報が高声器からとびだした。
「第一級の非常事態が起こった。ガン人はただちに非常配置につけ!」
警報はくりかえし叫ばれた。第一級の非常事態とは何事であろうか。このときガスコが、にやりと気味のわるい笑みをうかべた。
恐怖《きようふ》の敵
「たいへんだ。これは、たいへんなことになりましたよ、三根夫さん」
ハイロは顔色をかえて、三根夫にいった。
「どうしたの。第一級の非常事態が起こったというが、それはどんな事態なの」
三根夫はたずねた。
「第一級の非常事態というのは、わたしたちがいまこうして住んでいる星が破壊の危険にさらされているということなんです」
「ガン星が破壊するって。それはなぜ破壊するの」
「なぜか、ここではわかりません。はやく下へおりましょう。わたしもすぐじ
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