かね。あれは強力な信号灯のように見えるが、おまえさんは、あんなものを持って、ここで何をしていたのかね」
「ちがう、ちがう。そんな大それたものではない。それに、あれはおれの持ちものではなくて、ここで拾ったものだ」
ガスコは、しどろもどろの返答をしながら、目を横に走らせて三根夫をにらみつけた。
あの三根夫めが、ハイロにちえをつけたなとうらめしくてならないのだ。
「拾ったものだって。よろしい。ガスコ君とやら。それでは、でるところへでてじぶんで説明するがいいだろう。わしは、きみを警備軍へひき渡してやる」
「いや、おれがきさまらを警備軍へひき渡すんだ。きさまたちこそ、こんなとこへあがって、あやしい行動をとっていたことは明白だ」両方が、たがいにいい争っていたとき階段の下のほうにあたって、たくさんの足音が入り乱れて、こっちへ近づくのがわかった。
「きた!」
「きたな。さあ、たいへん」
「ちえッ。しまった。きさまたちがぐずぐずしているから、こんなへまなことになるんだ」
三根夫とハイロ、それにガスコも、三人が三人とも、顔色をかえた。近づくあの大ぜいの足音は、監視隊附の武装ガン人たちが、あやしい者あ
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