ているなんて、けしからんじゃないか。おい、面をぬげ」ガン人は、三根夫のかぶりものの上から、ぼこぼことたたいた。じつに、するどく耳のきくガン人だった。
「まあ、待ってください」ハイロが、三根夫をうしろにかばってまえにでた。するとガン人は、ハイロをなぐりつけようとした。ハイロは、あやういところでそれをさけた。
「まあ、待ってください。この者は、地球人ではなく、やはりガン人なんです。しかし口はきけなくて、そのうえに耳は聞こえないですから――」
「ばかをいうな。ごま化されんぞ。地球人にちがいない。その証拠には、そやつは地球人のことばで二度も叫んだじゃないか。さあ、正体をあらわせ」
そういうと、ハイロよりも背の高いそのガン人は、ハイロの頭越しに両手をのばして、三根夫のかぶっているお面の両耳をつかむと、手前へひっぱった。お面はすっぽりとぬけて、下から三根夫のまっ赤《か》な額《ひたい》があらわれた。
「やっ、きさまはテッドの部下の三根夫という子供だな。いよいよけしからんことだ。なにしにこんなところへきたか」
そのガン人は、三根夫を知っていた。間にはさまっていたハイロは、これはめんどうなことになっ
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