会は、まったくすばらしいものであった。また珍妙なものでもあった。
テッド隊長以下三百名にちかい隊員全部が、この町の大宴会場キング・オブ・スターズに招待せられたのである。その招待の正式のあいさつは、いつどこから忍びこんできたのかわからないが、姿は見えぬながら声だけのガンマ和尚《おしょう》から、九台の宇宙艇内へ手おちなく伝えられた。
「へえーッ、おれたちを招待するというぜ。なにをたべさせるのかな。気持がわるいね」
「なあに、その心配はないさ。怪星ガンは大きな世帯らしいから、まさかわれわれの口にあわない彗星料理や星雲ビールなんかをだすことはないと思う」
「なんだい、その彗星料理だとか星雲ビールというのは。いったいどんなものか」
「さあ。どんなものかおれもしらないが、おまえは、そのへんてこなものがでるか心配していると思って、ちょっといってみたのだ」
「ははは。なにをでたら目をいうか」
一同がなによりも喜んだのは、艇をでて、外を足で歩けるということだった。まったくながい間せまい艇内にこもってばかりいて、あきもあいたし、足がつかえてしまった感じだ。とてろがいま招待によって艇をでて、外をてくてく
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