ります。困ったことですが、どうにもなりません。やくそくされた運命というのでしょう」
「いや、わしはそうは思わない。きみはもっと考えなおすべきだ。そしてガン人というものをもっと深く理解しなくてはならぬ」
「もしもし、そんな話は、もうそのくらいにして、やめたがいいでしょう。テッド博士たち、もうおかえりなさい」
 とつぜん頭の上で、われ鐘のような声がした。
「あッ。きみは誰?」
「ガンマ和尚《おしょう》ですわい」
「おお、ガンマ和尚」テッド博士は、しまったと思った。しかし声だけのガンマ和尚は、別に怒っているようにも思われず、おなじ調子の声で、
「くよくよしないで、街でたのしいものを見つけることですよ。つまらない話はしないのがいい。あすは、あなたたち全員を、わたしたちが招待して、たのしい歓迎会をひらきます。そのことを帰ったらみなさんに知らせてください」
「わたしたちのために、そんな会を開いてくださるのですか」
「あなたがたがその会にでれば、わたしたちの気持ももっとはっきりわかってくれるでしょう。さあさあ、にこにこ笑って、ここをおひきあげなさい」


   大食堂の異風景


 その翌日の大歓迎
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