が、きみはどう考えるかね。扉を開いて、相手の申し出におうずるかどうか、きみの考えは」
帆村はうなずいた。
「わたしは、すぐ扉をあけて、相手と交渉にはいったがいいと思います」
「ほう。きみもやっぱりそのほうか。扉をあけるのはいいが、艇内の気圧が、いっぺんに真空に下がるだろうと思うが、このてん考えのなかにはいっているかね」
「わたしは、そのてんも心配なしと思います。つまり、扉の外は、じゅうぶんに空気があるんだと思うのです。なぜなら、外から声をかけられるんですから、外に空気があり、相手は空気を呼吸しながら立っているんだと推察《すいさつ》しているのですが、隊長のお考えは、いかがです」
「うん。きみのいまの説によって、完全に説明しつくされた。そうすれば、外部に空気があることが信じられる。しからば、わしもさっそく扉をあけて、相手に面会する決心がつくというものだ」
「では、どうぞ、しかし、びっくりなすってはいけませんよ」
「なんだって。びっくりするなとは、何が?」
「それはだんだんわかってきましょう。いまのところわたしの想像にとどまりますが、なにしろ相手は怪星ガンの一味と思われますから、ずいぶんわ
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