「ものさし」に傍点]で測る必要があります。地球のうえだけで通用するものさしで測っていたんではだめだと思います」
「そういう議論はあとにして、もっと実際の問題を論じてもらいたいね」
と、テッド隊長は注意した。
すると一同は、だまってしまった。
どう解こうにも、さっぱり手がかりがないとは、このことだ。さすがの救援隊のちえ袋といわれる博士たちも、いいだすことがなくなった。
「なにか考えをいってもらいたい」と、隊長はさいそくした。
しかし一同は、たがいに顔を見合わすばかりだった。
やっと口を開いた者があった。それは帆村荘六だった。
「さっぱり手がかりのないことを、いくら論じてみても、むだだと思います。それよりはもうすこし時間のたつのを待ったうえで、なにか新しい手がかりのみつかるのを待ち、あらためて論ずることにしてはどうでしょうか」
「まあ、そういうことになるね」
隊長は、帆村の説にさんせいした。
「では、しばらく待とう。会議はひとまず解散だ」
そういって隊長テッド博士が椅子から立ちあがったとき、三根夫がとつぜん大声で叫んで、テレビジョンの幕面を指した。
「あッ、光った棒のようなも
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