ちのうえに、おそろしい死の影がさしているのだ。
 もうじぶんを救うみちはないか。
 奇怪なるこの大暗黒の秘密は何?


   真相不明


 司令艇の操縦席が、会議場になってしまった。
 最高幹部と、本艇内にいて、科学技術をたんとうする十二人の博士などが集まって、これからどうしたらよいか。そしてこの奇怪な現象はなにごとであるかの協議をはじめた。
 帆村もこれにくわわっていた。三根夫もいた。三根夫は帆村からいいつけられて会議を聞きながらも、本艇の周囲にたいしとくに注意をしていることになっていた。少年は、テレビジョンの六つの映写幕へ、かわるがわるするどい視線を動かした。
「まず、いまわれわれがどういう目にあっているんだか、意見をのべてもらいたい」
 隊長がいった。
「宇宙塵《うちゅうじん》のかたまりのなかに突入したのではないかと思います。だから星の光りが見えなくなった」
 博士のひとりが意見をのべた。
「いやいや、そうでないと思う。宇宙塵のかたまりというものがあって、その中へ突入したものなら、本艇はその宇宙塵につきあたるから、手ごたえが感じられるはずです。しかしそんな手ごたえはないではあり
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