く、その朝先生はすぐに電話を日本空輸にかけた。それは東京行の旅客機に乗れるかどうかをたずねたのである。たとえ一時間でも一分間でも、早く千二の困っている東京へいきたいと、新田先生は飛行機でいく道を選んだのである。
幸いに、座席が一つあった。予約してあった客の一人が、急に都合がわるくなって、それに乗らないことになったのである。新田先生は、すぐそれに乗りこんだ。
この新田先生というのは、千二少年の組に理科を教えていた先生である。一年前に、小学校をよして、大阪へいった。大阪では、教鞭をとるのではなかった。大阪帝国大学工学部の聴講生となって、さらに勉強をしようというのであった。新田先生の専攻するのは、ロケットであった。
ロケットというのは、飛行機と同じように、空中に飛びまわる新しい乗物である。まだ研究が完成していないので、あまり大きなものはないが、行く行くは、地球の旅行にも、あるいはまた宇宙を飛びまわるにも、このロケットがたいへん都合のいい乗物であった。
新田先生は、お昼前、無事に東京羽田の空港に着いた。
新田先生は、東京の羽田空港で旅客飛行機から下りると、すぐその足で、とるものもとり
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