の記念にとった写真であった。新聞社は、どこからか、その記念写真をさがし出して来て、千二の顔だけを大きく伸ばして、写真版につくりあげたのである。思出のふかい写真から、複製したものだったのである。
だが、千二は、彼の顔が新聞に出たことは知らない。だから、その写真が使われたことさえ、知らないのだ。
しかしながら、新田先生の方では、千二の顔を新聞の上に発見して、たいへんおどろいた。そうして顔をまっかにして、怒りの声を発した。
「こんなばかなことが、あってたまるものか。あの千二君が、共犯者だなんてことがあるか!」
千二少年のつよい味方が、一人あらわれたのである。
新田先生は、つい一年前に別れた教え子の千二が、とんでもないうたがいをうけ、警視庁に入れられたことを朝刊で知り、その場で東京へいこうと決心した。それはもちろん千二のために弁護して、留置場から一刻も早く出してやりたいためだった。
「あの千二君が、あんなむさくるしい留置場にはいっているのだと思うと、かわいそうで、たばこをすう気さえ起らなかった」
と、後に新田先生は、その頃のことをふりかえって、思出話をなさったことである。
とにか
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