。どうだ、わかったかね」
「なるほど、なるほど。そんなうまいことがあったのですか」
「ははあ、それはおどろいたなあ」
月が、地球をまもったといえるではないか。
「じゃあ、博士。地球に住んでいる人には、異状がなかったでしょうね」
「さあ、それは、どうかなあ。多分月の軌道もちがったことだろうし、モロー彗星とすれちがうときに、颱風《たいふう》の何十倍かも大きいような大風雨なども起ったり、地球磁気の影響で、思いがけないことがあったり、また、そのようなことが、相当地球の人類をおどろかしたことだろうが、とにかく、外から見たところでは、あのように地球は、あいかわらずきらきらと光っているのだから、そう、しんぱいしなくてもいいと思う」
月が、地球をモロー彗星からすくったとは、なんという、うつくしいことであろう。まるで戦場で、愛馬が主人の兵士を、敵弾からすくったようなものではないか。
蟻田博士を中に、千二と新田先生とは、きらきら輝く地球の方をじっと見つめたまま、うごこうともしなかった。
そのとき、千二が、
「博士は、地球があやうい目からすくわれたことを、前から知っていられたんですね」
と、すこし
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