、うらめしそうにたずねた。すると、蟻田博士は首をふって、
「いや、地球が大丈夫だと、はっきり知ったのは、たった今地球のすがたを、夜の大空に仰いで、はじめて知って安心したんだ」
「でも、さっき博士は、前からそれを知っていられるような口ぶりでしたよ」
「ああ、あれかね。あれは、こういうわけだ。もし、地球とモロー彗星とが、宇宙で衝突すれば、火星のうえにいるわれわれにも、なにか大きな振動を感じるはずだし、また大きな光が宇宙にひろがるから、火星のうえでも、大さわぎがはじまるわけだ。だが、衝突の時刻をすぎても、すこしもそんなことがなく、たいへんしずかだったので、わしは、かねて月がすこし異状をおこしかけていたことを思いあわせ、ははあ、これは、地球がうまく、あやうい目をのがれたんだなと、さとったんだよ。それだけのことじゃ」
蟻田博士の予想は、ほとんどあたっていたが、月の影響がはいって来るところが、すこし予想がはずれたのである。しかし、地球があやうい目をのがれたことは、神のおまもりと、いうほかはあるまい。
「……地球は衝突からすくわれた。しかしこれからは、火星人と競争することになるから、われわれ地球の
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