らいて、とびだして来たわけだろう。ずいぶん、がんばりやさんだなあ」
「なるほど。元気がいい人ですね」
「いずれ、あとで、おもしろい話を、たくさん、聞かせてくれるだろう」
 階段をのぼりつめると、りっぱな円形の広間へ出た。すばらしい高い天井、うつくしいかべ、そうして、見事な望遠鏡が、天蓋《てんがい》の間から、夜の大空へ向いている。
「千二、新田、望遠鏡で見なくても、肉眼でよく見えるから、外廊下へ出よう」
 博士は、扉をあけて、外廊下に出た。
 火星には、今、夜の幕が下りているのであった。この天文台は、森のうえから、わずかばかり、首をのぞかせているのだった。だから、この外廊下からは、森の高い梢越しに、荒涼たる火星の夜景が見える。
「ほら、あれを見なさい」
 博士が、そう言って、天空にきらきらと輝く星をゆびさした。
「ええあれは、何という星ですか」
「あれは地球じゃ」
「えっ、地球ですか。地球は、モロー彗星に衝突されて、まだ、あそこに、かけらでもが、のこっているのですか」
 千二は、ふしぎそうに聞いた。
「いや、あれは地球のかけらではない。かけらどころか、地球は、ちゃんとしているのだ」
「え
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