走りこんだものと見える。それはいいが、防寒服も着ていなければ、酸素かぶとも着ていないのだった。むちゃな話である。
「おお、佐々刑事だ」
「ほう、これが佐々刑事か」
「蟻田博士、あなたは地球が……」
と、再び佐々刑事が、ことばをつごうとした時、彼はにわかに、まっ青になって、よろよろと、よろめいた。そうして先生と千二が、かけよるよりも先に、王城の床の上に、どうと、たおれてしまった。
蟻田博士は、すぐに床にひざをつき、佐々刑事の手をにぎった。その時、火星人の医師がかけつけ、博士にかわって、すぐ手当をすると言った。
博士は、あとのことを頼んで、先生と千二の方へ目配《めくば》せをした。
千二は、博士が目くばせをするので、たおれた佐々刑事のこともしんぱいだったが、博士のあとにしたがって、天文台の方へ階段をのぼっていった。
そのとき、千二は、そばの新田先生に、
「どうしたのでしょうね、あの佐々刑事は……」
すると先生が言った。
「佐々刑事は、火星のボートを分捕ったと放送していたが、今まで、そのボートの中にがんばっていたのだろうね。そうして蟻田博士が来たという話を聞いたので、ボートの扉をひ
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