手をとられて、おなじく宙を飛んで行くのであった。
「丸木さん。もうすこし、ゆっくり走って下さいよ」
千二は、いつもおくれがちで、そのために、途中、木にぶつかったり岩石にあたったりして、大事な服やかぶとが、今にもこわれそうで、心配であった。
「ぐずぐず言うな。早く、おれが行ってやらんと、味方が敵にやられてしまうではないか。しんぼうしろ」
そう言って、丸木は、どんどん走る。
そのうちに、前面に、海が青白く光っているのが見えだした。そうして、長い岬がつきだしている。クイクイ岬であった。このクイクイ岬は、まるで戦艦の檣楼《しょうろう》のような形をしていた。つまり、細長い要塞だと思えばいいのだ。しきりに、硝煙のようなものが、あがっている。
「ああ、やっているな。おい千二、あれがクイクイ岬だ」
千二は息を、はあはあ切らせつつ、クイクイ岬の様子に、ひとみを定めた。
どがどがどが。
どがどがどが。
奇妙な音が、しきりに聞える。
「おお、なるほど。ペペ山に、敵のやつがたてこもっている。ものすごい砲撃戦の真最中だ。ふん、なるほど。敵は、いつあのような大砲を手に入れたか。けしからん話じゃ」
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