ちにあったのです。兵営は全滅です。そこへ、いまの旗を立てた軍ぜいが切りこんで来たのです」
「むこうの兵は、どんな、かたちをしていたか」
「それが、みんな胸のところと背とに、いま申した白四角形のむらさき旗をぶらさげているのです」
「はてな。むらさきに白い四角形の旗というと」
 丸木は、じっと考えている。
 千二はそばにいたが、その白四角軍がどこの兵であるか、ちゃんと知っていた。それは、ペペ山にたてこもって兵をあげたロロ公爵とルル公爵の軍ぜいに違いない。
 丸木は、そこまで気がつかないから、首をぐらぐらとふって、
「どうもよくわからん。しかし、わが兵営を焼きうちにするなどとは、ふとどきな奴ばらだ。火星の兵力を、一手ににぎっているおれの力を知らないらしいな。よろしい、おれがいって、そのあやしい敵をみなごろしにしてくれるぞ。さあ、あんないしろ」
 火星兵団長の丸木は、千二の手をしっかりとって、宙を走り出した。
 火星兵団長の丸木のめざすところは、クイクイ岬であった。
 丸木は、まるで軽飛行機のように走って行く。丸木の足や触手が、風に吹かれる凧の尾のように、うしろへなびく。
 千二は、その丸木に
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