、千二は、かぶとの下についている、へそのような穴に、さわってみた。
「しかし、博士。こんなところに、穴があいていると、かぶとの中の酸素が、みんな外にもれてしまいませんか。また、外から、火星の空気がはいって来ませんか」
「それは大丈夫だ。人間の心臓に、べん[#「べん」に傍点]というものがついている。そのべん[#「べん」に傍点]は、一方からは通るけれども、その反対の方向からは、通らないのだ。これをべん[#「べん」に傍点]といって、心臓だけではなく、世の中にある機械にも、べん[#「べん」に傍点]のはたらきをするものが、よくつかわれている。このかぶとの中につけてあるのは、つよい特殊ゴムでできたべん[#「べん」に傍点]である。だから、お前のいうしんぱいはないよ」
 と、博士は、べんのしかけを説いた。


   67[#「67」は縦中横] 出陣


「カリン岬が見えました」
 と、ロロ公爵が、博士のところへ知らせて来た。
「もう見えますか。おい、新田、操縦室へ来い」
「はい」
 千二も、あとからついていった。
「そこにあるハンドルを、しっかりにぎっておれ」
「はい、これですね」
「そうだ。わしが命
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