り、ことに弟の病気をなおしてくださって、まことにありがたいことです」
 と、ロロ公爵は、頭を下げた。
 ロロ公爵のあいさつは、なおもつづいた。
「わが火星には、生物がいます。地球にも、人間というりっぱな生物がいます。このひろびろとした宇宙をみわたしますと、ずいぶんたくさんの星が見える。何億か何十億か、ほんとうのところは、とてもかぞえきれないでしょう。しかるに、そのうえに、生物がすんでいることがわかっているのは、わが火星と地球だけである。しかも、火星と地球とは、きわめて近くにいる。現在の距離は、たった五千六百万キロである」
 ロロ公爵は、たった五千六百万キロだと言った。
(五千六百万キロが、たったかしら)
 と、千二は、目をぱちぱち。
 公爵は、ことばをつづけて、
「そういうわけで、火星と地球とは隣組同志であります。もし宇宙に隣組とか隣保班とかをつくるのだったら、わが火星と地球とは、同じ組にはいるべきはずです。助けられたり助けたりの、そういうお隣同志でありながら、両方がけんかをしているのは、よくないことです」
「なるほど」
 と、新田先生が言った。すると、ロロ公爵は、先生の方へ、ちょっと
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