思っていたが、今となっては、不十分だとわかった。今さら言っても仕方がない」
 博士は、設計に不十分な点があったことを、すなおに認めた。
「じゃ、いくら追いかけても、だめでしょうか」
「いや、そうともかぎらない。丸木艇が、もし故障でもおこしてくれれば、しめたものだが……」
「なるほど、そうですか。しかし、丸木艇も、なかなか調子よく、にげていくじゃありませんか」
「うむ、敵ながら、感心していたところだ。もうあと百キロばかり間をつめることができれば、ガス弾がとどくんだがなあ」
「ほう、あと百キロですか」
 すると、千二が、測距機で、彼と我との間を読んで、
「ええ、丸木艇は、百三十キロのところをとんでいますよ」
「ふふん、そうか。あと百キロぐらい、宇宙の大きさにくらべると、何でもないがなあ」
 と、先生はくやしがった。
 その時、博士は、めずらしく座席から、立上った。
「博士、どこへいかれます」
「おお、わしは、ちょっとここを留守にするよ。新田、お前、しばらくここをあずかっていてくれ。すぐに戻ってくるから」
「承知しました。しかし博士は、どちらへ……」
「ちょっとした用事じゃ。すぐ戻る」
 博
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