かんたんにはいかない。第一、火星の気候は、たいへんちがっている。それから、すんでいるのは人間ではない。植物の進化した生物だ。彼らは、丸木みたいに、すぐれた知識をもっている。そういう火星人のたくさんすんでいる中へ、三人でいって、どうするのであろう。いわんや、丸木は、自分たちを恨んでいるのではないか。そう思うと、火星行は、いやな気がする。
「博士、火星までいって、大丈夫ですか」
 と、先生は、それを聞かないではおられなかった。
「大丈夫かどうか、わからない。しかし、今となっては、火星であろうが、どこであろうが、丸木艇を追いかけていくしか、方法がないのだ」
「そうでしょうか」
「丸木は、地球に対して、はじめて戦いをいどんだ敵だ。この宇宙の侵入者を、ここで撃ちおとしておかなければ、地球人類の大恥である。わしは、あくまで、丸木艇を撃墜し、丸木を、やっつけてしまうのだ」
 博士の決心は、岩よりもかたい。火星人と戦って、どちらが勝つか負けるか、わからないのである。しかも、博士は、丸木艇を追って、進撃するのであった。
「博士、火星へでも、どこへでも、いきましょう。先生もいきましょう」
 千二は、新田先
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