ました」
博士は、先生をガス砲から無電機の方へ、うつしたのであった。
千二の顔が、博士の方へ向いた。
「博士、ぼくは、どうしますか」
蟻田博士は、千二の方をみて、にっこり笑い、
「千二。お前、髪床やさんになってくれぬか」
「えっ、髪床やさん」
「そうじゃ。丸木艇においつくまでには、まだちょっと時間があるから、お前、わしの後へ廻って、髪をつんでくれ」
博士は、妙なことをいいだした。
「博士、おしゃれをするのですか。ぼくには、髪床やさんは、できません」
「なあに、わけなしじゃ。ここに便利な電気鋏《でんきばさみ》があるから、これでぐるぐるとやってくれればいい」
成層圏のとこやさん――千二は、このへんな仕事を言いつかって、博士のうしろに廻った。
「待て待て。とこやさんがやるように、肩のところへ、白い布をかけてくれ」
「博士。ぜいたくを言っては困りますよ。ここは、成層圏ですからね」
「成層圏はわかっているが、とこやさんを、やってもらうには、やっぱり、白い布をかけた方がいいよ。そこにある機械おおいを取って、肩にかけてくれ」
「へい。これですか、機械おおいは……」
千二少年は、機械の上に
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