路をびくともかえまいと決心しているのであった。
正面衝突らしい。正面衝突をしたら、どんなことになるのであろう。
新田先生は、ここぞとガス弾をとばせば、向こうの丸木艇では、怪力線をうちかけて、ガス弾をたたきおとす。そのもうもうたる煙の中に、両艇はついに衝突かと思ったが、間一髪のところで、丸木艇は、舳をぐっと上に向けて、ひらりとかわした。すぐその下を、蟻田艇が、砲弾のように通りぬけた。
60[#「60」は縦中横] 追撃《ついげき》
丸木艇と蟻田艇の一騎打はつづいた。
だが、勝負はなかなかつかない。
丸木艇が、怪力線をうちかけると、蟻田艇は、遮蔽網《しゃへいもう》でふせぐ。また、蟻田艇が、ガス砲弾をぶっぱなすと、丸木艇は、たくみにこれをかわして逃げてしまう。
まるで巴《ともえ》のように、敵味方は、ぐるぐると、うちつ、うたれつ、上になり下になり、追いつ、追われつ、死闘をくりかえした。だが、勝負はつかない。
「博士、丸木艇に、一つもガス弾が、あたらないのですが……」
と、新田先生が、ついに悲鳴に似たような声をあげた。
「あたらぬとはおかしい。おちついて、一発必中と、よ
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