かかった。怪力線は、まるで大雷雨の中の電光のように、蟻田艇をつつんだ。艇を、やいてしまおうと、火星人はやっきとなっている。
 しかし、博士が、あらかじめこのことを考えて、艇をつつんでおいた遮蔽網は、よく怪力線をもちこたえている。
 時に怪力線は、はげしく艇の外を金づちで乱打するようにきこえる。そうして今にもこわれそうに、ものすごく震動する。そのたびに、
(もう、いけないのじゃないか)
 と、新田先生は気が気でない。
 だが、いつも、蟻田博士の用意しておいた遮蔽網は、怪力線をくいとめる。
「新田、どうした、早く撃てというのに……」
 博士のさいそくだ。
 先生は、
「ただ今……」
 と、こたえる。
 が、引金を引くいい時が、なかなかやってこない。敵の艇と、あまり近くによって、ぐるぐる空中戦をやっているため、敵の艇が狙いにはいって、さあ撃とうと思うとたんに外《そ》れてしまうのである。
「ガス砲は、撃放しにせよ。味方は一機だけ、敵は多い。どれにでも当ればいいのだ」
 博士のことばに、はげまされて、先生は思い切って引金を引放しにしていると、当るわ当るわ、たちまち敵の二台は煙をあげてふらふらとお
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