しから怪音を発して、ぶったおれる。あたりは、十号ガスの煙がもうもうとたちこめて、まるで煙幕をひいたようである。
 そのうちに、火星兵の方でも気がついた。
「どうも、おかしいぞ。あやしい奴が、はいりこんだらしい。おいみんな、気をつけろ」
「気をつけるどころじゃないぞ。これを見ろ、たいへんだ。いつの間にか防圧の壁がとけてしまって、みんな、はだかになって死んでいくぞ。どうもへんだ。わしもやられたらしいぞ。た、助けてくれ」
「この煙がおかしい。おや、あそこにいる二人の火星兵めが妙なものを手に持って、わしらの仲間の胴中に、何かしきりに撃ちこんでいるぞ。こら、お前たちは何をしているのか。おい待て」
「うん、さっきから、その二人は、あやしい奴だと思っていた。やい、手に持っているものを、こっちへわたせ」
 蟻田博士と新田先生とは、ついに火星兵のため、ばけの皮をはがされてしまった。
「博士、どうやら、こっちの正体を見やぶられたようですよ。どうしましょうか」
「なあに、かまわん。今のうちに、手あたりしだい、ぶっぱなしておけ。こいつらをたおしておけば、向こうにいる本隊の火星兵どもは、まだ当分、気がつかないで
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