へんでよかろう。おい、新田、一、二、三で、例のことをはじめるぜ)
 と目くばせをしたのは、蟻田博士であった。
 新田先生はうなずいて、早くもマントの下のガスピストルをにぎりしめた。
(それ、一、二、三。そら、はじめ!)
 博士は、ピストルをマントの下から出すと、新田先生の方に手を上げて合図をした。それと同時に、博士はガスピストルの引金を引いた。
 今日はピストルの音がしなかった。今日博士は、消音のしかけをピストルにつけ加えたのであった。
 ガス弾は、無音のうちに火星兵の胴中《どうなか》に命中していく。火星兵どもは、はじめのうちは何にも気がつかない。そのうちに自分の胴から黄いろい煙が出たなと思ったとたんに、
 しゅうっ、しゅうっ。
 と、大きな音がして、全身が破れそうに痛くなる。そうしてあとは、気がとおくなってしまう。その時には、彼はもう地上に倒れているのであった。
 火星兵は、次々に倒れていく……。
 火星人にばけた蟻田博士と新田先生とは、ガスピストルを、さかんにぶっぱなしている。
 山のいただきに集り、近づく大江山突撃隊を見おろして、がやがやおしゃべりをしていた火星兵どもは、かたっぱ
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