、まことに不思議な生物なのである。
火星人は、人間や馬や牛を火星へ連れていって、家畜とするつもりである。馬や牛が家畜とされるのはまだいいとして、人間たちが、火星人のため家畜とされて、たまるものではない。
大江山捜査課長を隊長とする突撃隊は、火星兵団の手から、捕虜になっている人間をとりかえそうと、甲州の山奥をさして押しかけたのであった。
「ははあ、また麓の方から人間隊がやって来たぞ」
「おお、また来たか。人間というやつは、なかなかしぶといやつだな」
火星人が二人、山のいただきに監視兵として立っていたが、突撃隊が下からのぼって来るのを見て、ばかにした。
そうでもあろう。これまでにこの山をめざして攻めのぼって来た警官隊や青年団などの数は、じつにおびただしい。しかし、彼らはいつも火星人の敵ではなかった。いつも、こっぴどく火星人のために撃退されてしまったのである。今度も、きっと人間隊は、山の斜面をころがって、逃出すであろうと、火星人は、ばかにしきっていた。
火星人は、おいおいと山のいただきに、すがたを見せはじめた。突撃隊は静かにのぼって来る。さて、どんな戦いがはじまるのであろうか。
前へ
次へ
全636ページ中470ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング