える黒いものは何だ」
「え、ああ、あの黒い点のようなものか。風船でもなさそうだが、事によると……」
と、首をかしげているうちに、空中に浮かんでいる黒い風船のように見えた黒点は、見る見る大きく広がり出した。
「あっ、火星兵団だ!」
「うん、やっぱりそうだったか。おい、火星兵団の大襲来だ!」
と言っているうちに、その大きく広がった黒い斑点の中には、さらに小さい粒々の黒点が、たくさん集っていることがわかり、襲来した火星兵団の宇宙艇の数は二、三百だということがわかった時には連合脱出隊のロケットは完全に針路をおさえられてしまった。そうして次の瞬間には、火星兵団の宇宙艇隊は、ロケット隊のまん中を刺貫《つら》ぬくように飛込んで来た。勝ち負けは、その瞬間にきまってしまった。
せっかく力を合わせて編成した連合脱出隊のロケット五百台は、火星兵団のため、空中に全滅してしまった。
この悲報は、全世界を打震わせた。
「今度は、大丈夫だと思っていたのに……」
「あれでいけなかったら、われわれ地球人類は、絶対に火星人に降服する外はない」
「もっと早くから、対火星戦を、考えておくんだったな」
と、各国の責任
前へ
次へ
全636ページ中433ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング