者たちは、無念の涙をはらはらと落しつつ、この惨敗のあとをふりかえった。
ロケットに乗せて貰えない連中は、ロケットが、地上から飛出していくたびに、自分がいつまでたっても、地上に取残されていることを不満に思い、飛んでいくロケットのあとをうらめしそうに、そうしてうらやましそうに見送ったものである。ところが近頃になっては、彼らはもうそのような、うらめしそうな目附はしなかった。それは出ていくロケットというロケットが、ことごとく火星兵団のため空中でとけてしまったり、地上に追帰されたからである。彼らはニュースにより、うまく地球から脱出したロケットが、まだ、ただの一台もないことを、はっきり知ったからである。
打続く火星兵団の勝利! そうして地球軍の惨敗。
しかも、モロー彗星は、そんなことにはおかまいなく、刻一刻と地球に近くなって来た。
地球の上には、こうして二重の苦難がおおいかぶさって来たのである。地球と地球人類とは、もはや、自分たちの『死』を覚悟しなければならない時が来たように見える。
だれか、この大危難を救う者は出てこないであろうか。救世の英雄の足音は、まだ少しも聞えないようである。
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