うなものに、わけがあったのである。
 いや、彼は好きで、あのかぶとのようなものを、かぶっているのではなかった。怪人丸木が、あれを少年の頭にかぶせたのであった。
 あれは電気帽という。
 電気帽には、ふさのようなものが下っているが、あれはアンテナのようなもので、外から電波をかけると、その電波はアンテナに感ずる。丸木は、千二を逃さないために、千二にその電気帽をかぶせ、そうして、また宇宙艇の中にある電波機械から、ある不思議な電波を出している。その電波が電気帽に感じると、千二は逃げる気持がなくなってしまう。つまり、電気帽は千二の脳髄の働きを一部とめてしまうのだ。
 脳髄の働きは一種の電気作用だから、こんなことが出来るのであった。
 つまり、千二には、逃げたいという気が起らないように、し向けてあるのだった。千二の体には、鎖こそつないでなかったが、彼こそ電波でしばられた囚人《しゅうじん》であったのである。
 千二は、怪人丸木のもとから逃出す気は少しもなかった。それは丸木が、千二の頭にかぶせた電気帽の働きであった。千二の心には、まったくそういう気が起らないように仕掛けられてあったのだ。
 火星人とい
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