うれしくなるよ。うれしいという気持は、なかなか値打のあるものだな」
 と、そんなふうに丸木は言うのであった。
 そうかと思うと、丸木は、時には、とつぜん少年に、お前を殺してしまうぞ、などと言って悲しませて喜ぶこともあった。とにかく、丸木は情の心をもてあそんで喜んでいる。感情を持つようになった植物は、はたして幸福であろうか、それとも不幸であろうか。
「わしは、高等火星人になったぞ!」
 と、丸木ひとりは喜んでいるが……。


   49[#「49」は縦中横] 電気帽《でんきぼう》


 人間ではない植物の丸木のそばで使われて暮している千二少年は、決して楽しいはずがなかった。なぜ、千二は丸木のところから逃出さないのであろうか。
 見たところ、千二は、別にくさりでつながれているわけでもなく、また、番人がついているわけでもなかった。それなら、千二少年は、いくらでも逃出すことが出来るはずであった。
 しかし千二は、もうずいぶん長いこと怪人丸木につかまったまま、逃出しもしないで暮している。なぜ彼は逃げないのか。
 それには、わけがあった!
 そのわけというのは、千二少年が頭にかぶっているかぶとのよ
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